音楽について96。

  • 2018年06月8日
  • カテゴリー:ブログ

本日は「音楽について。」です。

楽器の練習において重要且つ忘れがちな要素、「メンタル」!!
グリエンに通って下さっている生徒さんは、レッスン中に僕からよくこの言葉を聞かされているのではないでしょうか(笑)?
(念のため補足しますが、「“上手くなりたい!!”ともっと強く願って下さい!!」とか、「自分を信じて強い気持ちで向き合って下さい!!」とか、(松岡)修造的な思想をぶつける意味で言ったりしてはいませんからね。←僕は修造さんのそういうの大好きですけど…………(笑))

僕がその言葉を使う時は「音楽的な意思」について説明する時、敢えて若干茶化したようなニュアンスで生徒さんに抵抗なく(少なく)受け入れて頂く目的で使います(目や手で弾こうとしないで下さいねってヤツです)。

とは言え、KID’sは別(笑)!!
直接「根性見せろ!!」みたいな事は言いませんが、“自分と向き合う強さ”や“コツコツ積み重ねる力”は今後の彼らの人生において必ず役に立つものですので、楽器の練習を通じて成長して欲しいと願っております。

先日のウクレレBOYのレッスン。
宿題を確認して見ると「一応、やることは理解しているようだし練習量もゼロではないようだ。」って事で修正点をアドバイスして、彼が取り組んでいる最中は鼓舞して、その日のレッスンに価値を持たせようとしてみました…………。

——————————う〜ん…………。少しづつなら確かに上達はしているから楽器の上達だけを見ればこの手法で間違いはないのかも知れない。今まではそれで上手くいっていたし……………でもコレが本当に彼のペースなのか?テコ入れしてみようかな。

「ちょっと次は本気で弾いてみてよ(……………ん?こんな事エレキ少年には言ったこと無いな。)」

ウクレレBOYなりの本気で弾いてくれましたが、どこかで『今はこんなもんでしょ。次までにやって来よう。』みたいに考えているように僕の目には映りました。恐らくコレはウクレレに限らず彼の物事に対する基本的なスタンスなのではないか?と考えた僕は、ウクレレを通して今の自分を超えようとする姿勢を身につけて欲しいと思い、その為のキッカケになるのではないかと「リュウくんは先生が言わなくてもレッスン中に必ず本気になる瞬間があるよ。今度彼が弾いている様子を動画撮っておこうか?見てみる?」と、先程の以上の他意はなく笑って進言してみました。

すると…………………ウクレレBOY、みるみるうちに首の角度とテンションが下がっていきました。コレ以上は下がらないところまでいって暫く留まっていたかと思うと………………ポタ………ポタ…………と黙ったまま涙を落とし始めました。

———————————ん?コレって泣いてますよね。え……………なんで?Why?あれだけおちゃらけてプライドを1mmも賭けていないような態度だったから傷つく要素はゼロだと思って軽く提案してみただけなのに………………どんな思いが溢れ出した涙なんだろう。

原因は本当に分からなかったですが、その涙は今後の彼の成長には確実に意味のある涙だと思ったので聞いてみました。(マジで今回は男気注入タイム!!にするつもりがなかったです。)

「なんで泣いてるの?先生は分からないから教えて。キミの気持ちを理解した上で一番良い形でレッスンを進めて行きたいから教えて。悔しいの?」

『………………………』

「比べられるのがイヤなの?」」

『………………………』

どうやら自分でもなんで泣いているのいるのか理解していない様子でした。そこでクローズドクエッションを繰り返し少しずつ彼の涙の原因を一緒に考えてみたところ、どうやら『怒られないからこれでイイと思っていたけど、実は自分が一生懸命やっていなかった事を指摘されるまで自覚していなかった。更にその間も同い年の子が自分よりも努力を重ねていたらしい……………。』という現実にビックリして『どうしよう………。』となってしまったようでした。

また一つ勉強になったと同時に僕は嬉しかったです。グリエンの誇りがウクレレを通じて今正に厳しい現実を受け入れようとしてくれている姿を見せてくれたのですから……………………勿論彼にもその事を伝えました。

「泣いている所悪いけど、先生はうれしいよ。正直、“終わってるなコイツ”って思った少年少女は今まで何人も見てきたし、そういう子は結局辞めていった。でも、キミは違う。その事が先生は嬉しい。キミが今思っている楽しいことが“楽しい”の全てじゃないし、キミが思っているよりもキミはもっとカッコよくなれる。算数だって今よりも出来る様になる。どんな時も、今までより少しでもイイから本気になる努力を積み重ねるだけだ。」

その日の夕食時に、妻からレッスンが終わって帰る彼を偶然見かけたと聞きました。
彼は駅までの道の途中にある小さな公園でトートバッグを首にかけ、一人ブランコに揺られていたそうです…………………その時彼は何を思っていたのでしょうね(笑)。

久し振りに純粋な気持ちに触れて嬉しかったです。若いって本当に素晴らしい!!

彼らの人生の限られたその特別な時間を共に過ごさせてもらっているので、沢山の価値ある時間を共有して共に成長していけるよう僕も本気出して参ります!!!!